どうも、ほんまぐろです。
2023年6月1日に発売された「LOOP8」
こちらを購入して参りました。
かつて初代PSで発売された名作「高機動幻想ガンパレード・マーチ」を生み出した芝村裕吏氏がゲームデザイン及びシナリオを手掛けている事で当初から話題になっていた本作。
こちらの序盤を遊んだ感想を、シナリオに関するネタバレ無しで書いて参ります。
イントロダクション
人類の希望が打ち砕かれてから8か月
古来からの厄災【ケガイ】によって家も家族も失った主人公・ニニは、母親の親戚を頼って穏やかな田舎の町【芦原中つ町】へと辿り着く
彼を迎えたのは親戚だという少女・コノハだった。
この土地に住む人々は口を揃えてこの町には何もないと言う。
「何もないっていうのは嘘だ」
山に、海に、古い家に、新しい友達に、同居する女の子に、重力。
宇宙ステーションが世界の全部だったニニには、何もかもが新鮮だったが…。
「諦めろ。この世のどこにもケガイの出ないところはない」
神々からの援軍を名乗る狐耳の少女。
空には不思議と輝く謎の球体。
日常と非日常が混在するこの町で、ニニの眩しすぎて重すぎる夏が始まる。
主なゲーム内容
プレイヤーは宇宙ステーションから地球の田舎町「芦原中つ町」へと避難してきた主人公・ニニを操作し、芦原の住人達と交流を重ねつつ、突如発生した謎の存在「ケガイ」から生き残る事を目指します。
8月1日から行動を開始しますが、ニニがケガイに殺害されたり8月31日を迎えると何故か世界はループし始め、再び8月1日からの生活が始まります。
こうして終わらない8月の夏休みを自由に過ごし、住人と共にケガイやループの謎を解き明かしていく事が目的のゲーム内容となっています。
本作の特徴
【日常の行動】
AM6時の起床から時間が流れていき、プレイヤーは自由に行動する事が出来ます。
それぞれの行動によりニニのパラメータを増加させることができますが、その分時間を消費します。
ケガイにより世界が滅亡するまでは5日というタイムリミットが存在する為、限られた時間内に「行動」や「住人との交流」によりそれぞれのステータスを上げ、住人に憑依したケガイを撃破する必要があります。
一度撃破すると再び5日のタイムリミットと共に新たなケガイが発生し、その撃破の為に行動…というのが一連の流れになります。
タイムリミットはありますが決められたルールはありません。
AM9時からの学校に律義に通うのもよし。
学校はさぼって朝から晩まで鉄棒で筋トレするイタい高校生になりきるもよし。
住人たちとの会話に終始して交流を深め、イベントを楽しむもよし。
セミの声が鳴り響く田舎町ののどかな風景の中を歩き回るもよし。
何をするかはプレイヤーの自由です。
また、マップの各地に存在する社や祠等の「気になる場所」を調べると声が腹立つムササビのような神から「加護」を獲得する事ができ、ニニのパラメータを上げる事ができます。
今作の戦闘は経験値やレベルといった概念が存在しない為、この行動と加護集めでのパラメータアップが主な成長要素となります。
【ループ】
タイムリミットを過ぎたりケガイとの戦闘に敗北してしまうと世界は滅亡します。
するとニニはループ現象により8月1日の世界へと戻り、再びケガイを倒す為の準備に取り掛かる事になります。
このループが本作における最も重要なシステムです。
5日という短い期間ではニニの強化や住人の強化は殆どできず、初見のケガイ戦ではまず惨敗します。
ループすると上げたパラメータも初期値に戻ってしまいますが、一度上げたパラメータ値までの成長率が激増したり、一度取得した「加護」は消えない為上げ損にはなりません。
ループを繰り返してより効率良く成長させていき、ケガイ達を撃破していく形になります。
【カレルシステム】
本作最大の特徴。
簡単に説明すると「プレイヤーの取った行動や選択肢によって周囲のキャラクターの感情や行動が変化するシステム」です。
キャラクター達のセリフは勿論の事、取る行動や発生するイベントも変化する為、ループ毎で同じイベントや同じ会話が発生する事は殆どありません。
序盤を遊んだ感想
※最初のケガイを撃破して、4回目のループに達した辺りまでの感想となります。
【良かった点】
まずはメインとなる芦原中つ町の住人達のビジュアルは非常に良い。
特に女子達。
逆に男子は正直微妙
どのキャラクターも個性的で交流を深めたくなります。男子はまぁ…うん
ケガイは憑依した人の心の闇を暴走させる性質も持っている為、ケガイに憑依されて初めてキャラの隠れた一面が判明する事も。
そうしてループ毎に各キャラクターが新たな人間性やバックグラウンドを見せてくれる為、毎回新鮮な気持ちでプレイする事ができます。
また、舞台となる芦原中つ町のビジュアルも非常に好き。
田舎町特有の雰囲気が現れていて、非常に懐かしい気持ちにさせられます。
正直序盤を遊んで「良かった」と思える点はこのくらい
【気になった点】
全体的な粗さ。
背景は綺麗ですがキャラクター達はポリゴン数の低い3Dで表示されている為妙にカクついています。
3Dが悪いとは言いませんが、あまりにもカクカクし過ぎている気がします。
ポピーざパフォーマーみたいだと言えば分かりますでしょうか。より分からんか…
戦闘シーンは特に顕著で、カッコよく決めている技も悉くカクカクしている為、見栄えとテンポはあまりよくありません。
戦闘以外の描写としても、カレルシステムによりキャラクター達が独自の行動を取っていると言っても特に街中で自由に過ごしているという訳ではなくただ漠然と歩いているだけ。
生活感などは微塵も感じられない為、せっかくの「生きたキャラクター」という魅力が半減しているように感じます。
クラスでキャラクター同士が引っかかって足踏みしている風景を見て笑ってしまいました。今令和だよね?
そのカレルシステムも現時点では未知数。
「主人公の取った行動でキャラのセリフ等が変化していく」と言いますが
試しに上記の選択肢を試したところ
- 仲よくしよう→うん、いいよ。
- 好きだな、そういうところ→うん、いいよ
- 少しいらついた→うーん、話しかけないでもらえるかなぁ
- 誉めてみる→うん、いいよ。
- さりげなくやさしくする→うん、いいよ。
となりました。
カレルシステム壊れてない?
壊れかけのRadio並みに同じ言葉しか繰り返さないんですけど…
しかも悪く言った時は妙に生々しいコメント返ってきて傷つくんですけど…
主人公と同じ転校生で全然面識のないイチカちゃんが、まだ3週目のループなのにいきなり駆け寄ってきて泣き笑いしだして軽くホラーな気分も味わいました。
ただ、まだ序盤というだけで今後ループを繰り返していくうちにより返答が深化していくという可能性も十分にある為一概には批判できませんが。
また、ストーリーの唐突な感じや展開の急さも目立ちます。
初対面なのに急に意味深な事を言い出す同級生や
ムササビに「テラスさんに話しかければループできますよ」なんてメタクソメタをぶっこまれたり
色々と急すぎて「!?」となります。
その他にも聞いた事のない固有名詞や造語が日常会話でポンポン飛び出す為、初見では意味不明なセリフや展開が非常に多い。
ただまぁ、この「日常の中に突然放り込まれる意味深な発言や事実」というのは今作に限らずガンパレードマーチでもよくある事だったので、「そういう作風」と言ってしまえばそれまでなんでしょうが。
そして「非日常パート」であるケガイとの戦闘。
主人公ニニの他に二人まで住人を連れてパーティを組む事ができますが、住人キャラクターは一切操作できません。
ニニの攻撃スキルとそれに乗せる感情(友情・愛情・険悪)を選ぶだけなので、通常のRPGよりかは遥かに戦闘要素は少ないです。愛情を持った打突ってどいういう事やねん…
なのでこのゲームをRPG要素目当てに買うと恐らくかなりガッカリすると思います。
「RPGの要素が少しあるADV」と考えるべきでしょう。
その他にも鬼の様に入るロード(PS5であれば各ロード1秒程度なのでそこまで気になりませんが塵も積もればとやら)、ダッシュの出来ないタルい移動、時間制限が厳しいわりに住人がマップのどこにいるか大まかにしか分からない、etc…
痒いところに絶妙に手が届かない粗さが非常に多い。
今後に期待
以上が序盤を遊んだ感想です。
総じて「コンセプトややりたい事は面白いが、それに技術が追い付いていない」という風に感じました。
現代のゲームに慣れていればいる程、細かい点が目について気になって仕方なくなります。
ただ、
住人達の恵まれたビジュアルや彼らとの交流
そして先の分からないシナリオや未知数のカレルシステム等
やり込んでいけばいくほど楽しさが引き出されていきそうな気配も十分に感じます。
序盤の唐突な導入や意味不明な展開をループの繰り返しで乗り切っていけば楽しめると信じ、引き続き遊んでいきたいと思います。
そのまま「やっぱ微妙だった」という評価に落ち着く可能性も多分にありますが
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