どうも、ほんまぐろです。
2023年3月17日に公開された映画「シン・仮面ライダー」を視聴して参りました。
今回はその感想記事を書いて参ります。
基本的にストーリーに関するネタバレは無しとなっています。
が、キャスティングに関する感想は書くため「そこまで含めて見たくない!」という方はご注意ください。
シン・仮面ライダーとは?
エヴァンゲリオンシリーズで一躍有名になったアニメ監督・庵野秀明氏による実写映画です。
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに続く第3の「シン」映画となります。
原作である仮面ライダーは見たことがない人ですら名前を知っているレベルで日本ではお馴染みの特撮番組であり、初代「仮面ライダー」が放送された1971年から2023年現在も放送されている「仮面ライダーギーツ」に到るまで、実に52年もの歴史を積み重ねてきた偉大な作品群になります。
今作「シン・仮面ライダー」はそんな原点である初代仮面ライダーを自他ともに認める特撮ファンである庵野秀明監督の手により現代風の解釈と映像表現でリメイクした作品になります。
イントロダクション
本郷猛は改造人間である。
バイク好きの青年・本郷猛はある日、秘密結社
「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社)」
通称「SHOCKER」によるオーグメンテーションにより桁外れの腕力とバッタの跳躍力を与えられた改造兵器・バッタオーグとして生まれ変わる。
ある日自身をバッタオーグへと改造した緑川博士の頼みにより、本郷は博士の娘・ルリ子と共にSHOCKERを脱走。
追手のクモ・オーグが迫る中、博士は人類の平和のために本郷とルリ子へ「SHOCKERの壊滅」という夢を託すのであった。
感想(ネタバレ無し)
【仮面ライダーという存在】
仮面ライダーという存在はただのヒーローではありません。
もちろん人類のために悪と戦うという意味では純然たるヒーローですが、その力はもともと悪の組織によって生み出された力、世界征服の為の力です。
「正義はいつも悪より生まれる」
「悪と同じ力で戦う」
ここが仮面ライダーを仮面ライダーたらしめている大きな特徴です。
冒頭シーンは嫌でもその事を思い知らされるショッキングなシーンでした。
ネタバレ回避のために言及はしませんが、とにかくバイオレンスです。
とても正義の味方には見えない。
仮面の下がひどく醜い化け物然としたビジュアルなのもそれを後押ししています。
彼らは悪の力を正義に使う存在なのだと。
そんな身に余る力を与えられた本郷猛の苦悩も、「想像よりも辛い」という彼のセリフから読み取れます。
正義の味方は我々が思っているよりも遥かに大きく重い重責に苛まれているんだなぁと。
仮面ライダーという存在の原点を、改めて見ることが出来た気がしました。
【ストーリーに関して】
正直かなり駆け足だったと思います。
仮面ライダーの誕生からSHOCKERの首領を倒す所まで2時間弱で駆け抜けるわけですから良い言い方をすればスピーディー、悪い言い方をすれば駆け足気味です。
特に首領である人物の思想や世界征服をする決意に至るまでの経緯がかなり手短にしか説明されないため、割りと注意深く見ていないと「なんでこんなことになってんだ?」となってしまうかもしれません。
以前ヤングジャンプで連載されていた漫画「真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-」を読んでいるとその辺がよく分かると思うので、視聴される前に読んでみると良いと思います。
引用:ヤンジャン!「真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-」
もちろんこの作品を読まなくてもストーリー自体は分かるので、あくまでより「シン仮面ライダー」の世界観を知りたい人、楽しみたい人向けになります。
この首領の考えを理解できれば、今作で秘密結社SHOCKERがなぜ「SHOCKER」と名乗っていたのかが分かるはずです。
いずれにせよシン・ゴジラのように万人が受け入れて楽しめる娯楽映画ではなく、仮面ライダーという作品が好きな人向けの映画なのではないでしょうか。
【キャストに関して】
大満足のキャスティングでした。
仮面ライダー2号・一文字隼人を演じる柄本佑さんの飄々とした演技、泣き崩れる演技が非常に良かった。
この人本当に個性派俳優で大好きです。もともと好きでしたが今作でより好きになりました。
本郷猛を演じた池松壮亮さんの演技に関しては賛否両論があるかもしれません。
感情の起伏の無さが半端ではなく、あと数センチで「棒読み」の域に達するレベルというギリギリを攻めています。あとずっとプルプル震えてる
少なくとも原作の本郷猛とは別物です。
ただまぁ、これは本郷猛という人物の背景を考えたら役者としての実力ではなくあえてそういう演技をしているんだろうなと思いました。
その証拠に終盤になっての泣きの演技は非常に力が入っており、人間的な成長すら垣間見える。
またネタバレを含むため敢えて言及はしませんが、庵野監督のシンシリーズを見た人であれば思わず「おっっ」と喉の奥で言いかけるキャスティングがされています。
個人的にまた見れて嬉しかった。
片方は某作品とほとんど同じ演技でしたが、もう片方はその作品でのキャラと全然違う演技(というかビジュアルと言動)してて笑いました。仕事選べ
そして個人的に一番衝撃的だったのが緑川ルリ子を演じた浜辺美波さん。
とにかく可愛い。
メチャメチャ可愛いんです。
どのシーンも可愛いんですが、特に終盤にかけての彼女の演技は必見です。
マジで可愛い。いやマジで。(語彙力の無さ)
前作シン・ウルトラマンのメフィラス星人を演じた山本耕史さんの胡散臭さに感動した時も思いましたが、庵野監督はキャストの実力を引き出す絵の撮り方が非常に上手いんでしょうか?
とにかく浜辺美波の可愛さでゴリ押してくるスタンスに見事やられました。これを見れるだけで2000円払う価値はある。
【映像に関して】
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンを経て培われたCG技術がうまく使われていました。
特にガシャガシャ変形したり犬みたいにチョロチョロ追走するサイクロン号を使用したシーンは大満足です。
それに加えて今作では初代仮面ライダーで使用された撮影ロケ地も再び使用したり地形や背景に初代に似たものを使用する等、初代を意識した撮影が行われています。
更にSEやBGM等も含めて多くのオマージュが入れられており、初代仮面ライダーのファンは思わずニヤリとしてしまうシーンも多いのではないでしょうか。
昭和ライダーにそこまで詳しくない自分でもそうなりましたし。
ただ一点、気になったのは動きの粗さです。
アクションシーンは冒頭こそ良かったものの、後半に連れ尻すぼみしていった印象です。
主に画面の暗さのせいで。
特に終盤の格闘シーンは画面の暗さに加えて手ブレでガクガク動く為非常に見づらく、初見では何やっているか分かりづらいシーンが多い印象を持ちました。
下手したら画面酔いするレベル。
これは庵野監督が新たな撮影の方向性を探るためにiPhoneを使った手撮りを導入している影響なのかも知れません。
スーツアクターを使わずにキャストが自らアクションシーンを担当しているのも大きい。
大人しくアクションのプロに任せておけよ…いや一応プロか…?
総評
今なお続く仮面ライダーの原点を、新たな映像と新たな解釈で描いた「シン・仮面ライダー」
- 正義とは何かを考えさせられるバイオレンスなアクション
- キャスト陣の演技
- 仮面ライダー映画としてのアクション・格好良さ
これらを堪能できた、個人的には満足出来た内容でした。
ただ、映像の見づらさやストーリーの駆け足感、初代のオマージュを言い訳にした展開の無理くり感等、気になる点もあるのは確かです。
その辺の不満を浜辺美波さんの可愛さで黙らせに来るスタンス
嫌いじゃないわ!!
仮面ライダーファンの人はぜひ劇場の大画面と大音響で楽しんではいかがでしょうか。
小さい画面じゃ暗くてよく見えないかと
コメントを残す