どうも、ほんまぐろです。
8月6日より公開された劇場版ワンピース 「フィルム RED」
こちらを視聴して参りましたので、その感想を書いて参ります。
ネタバレありとなっておりますので、未視聴の方はご注意ください。
イントロデュース
世界中の人々を魅了する正体不明の歌手「ウタ」
彼女の初めての有観客ライブを音楽の島・エレジアにて開催する事が決定する。
ライブ当日、麦わらの一味を始めとする海賊達や海軍達がエレジアへ到着するが、そこにはウタに関わる衝撃的な秘密が隠されていた—
全体の感想
※ネタバレありにつき注意※
評価の分かれる作品だなと思います。
「何を目当てにこの映画を見に行くのか?」というスタンスによって、評価は変わってくると思います。
一番評価が低いのは、やはりシャンクス目当て
もっと言うと「シャンクスに関わる重要な要素」を目当てに見に行った人ではないでしょうか。
前作「スタンピード」はラフテルに関する重要情報や、ロジャーの原作に先駆けたセリフが登場するなどの大盤振る舞いで話題を呼びました。
そこに続いてのシャンクスです。
ワンピースにおける主要人物の中でも頭一つ抜けた重要人物であるシャンクス。
- 1話から登場して
- 20年以上経った今も出続け
- そして具体的な意図や強さが判明していない。
そんなシャンクスが「導く終焉」なんて意味深な煽り分付けられたら嫌でも期待しちゃいますよね。
それくらいシャンクスって言葉は重いんです。
「四皇」の名は伊達ではない。
「シャンクスはどんな事を話してくれるのかな?」
「ラフテルとかワンピースの事は言及するかな!?」
「今の動向はどうだ!?」
「技名はどんな感じかな!?」
こういう情報を目当てに見に行った人は肩透かしを食らったんじゃないかなと思います。
今回の映画におけるもう一人のキーファクターは彼の娘と呼ばれる「ウタ」
そして彼女の歌を担当したadoさんなのは間違いありません。
この「ウタ(ado)」関連を目当てに見に行った人は非常に満足度が高いのではないでしょうか。
なんせ今回映画で流れるadoさんの歌は実に7曲
そのうち5曲はフルで流れるという超豪華仕様です。
単純計算で上映中の4分の1近くは流れている事になる為、最早「ワンピースの映画」と言うより「adoさんのMV(feat.ワンピース)」と言っても過言ではない。
総評すると
ワンピース自体を追いかけ続けているコア層ほど評価が低くなり、物語や設定以外を楽しむライト層ほど評価が高くなる傾向になるのではないかなと思いました。
個人的な感想
個人的には大いに楽しめました。
今回の主要キャラクターにスポットを当てて見ていきます。
【シャンクス】
肩透かしと言いつつも、やはり彼が今回の主役と言っても過言ではない。
終盤の魔王戦のド迫力な戦闘、そして「こいつをの命を奪う気なら、死ぬ気で来い」という桐生ちゃんのような全開の覇気。
これを見れただけでも劇場に足を運んだ甲斐はあった。
ただ、願わくば技名の一つでも叫んでほしかったところです。
個人的にはロジャーの「神避(カムサリ)」みたいな中二病全開の漢字で来て欲しい。
もしくは「スーパードキドキスラッシュ」みたいなクソダサでギャップを狙いに来ても可。
そして彼の素性について。
ルフィがウタをシャンクスの娘だと暴露した時、五老星は「フィアーランド家の血筋は途絶えていない」と言っていました。
この時点でウタがシャンクスの養女だと五老星は知らないはずなので、必然的にシャンクス=フィアーランド家の図式が成り立ちます。
「フィアーランド家」が何を指すのか分からないですが、シャンクスが五老星と会話していた事を考えるとやはり濃厚なのが天竜人であるという事ですかね。
そして特典の「巻四十憶」には、シャンクスの覇気に関してこんな記載がありました
「覇王色-見聞殺し-(気配をコントロールして相手に未来を視させない)」
天竜人、未来を視る見聞色無効化…
対ルフィ特化のようなステータスで、嫌でもルフィとの対決を予感してしまいます…。
今後原作で彼がどういう行動を取って来るかがより重要になってきそうです。
【赤髪海賊団】
短時間とは言え初めて戦闘シーンを披露してくれました。
噛ませ感120%だったロックスターが幹部扱いで、「頑張ったんだなぁ」と親のような心境。
ラッキールウは覇気を纏った全身で相手に突撃する肉弾戦車全身砲弾、ハウリング・ガブは破壊光線のような「切れる咆哮」等、バリエーションに富んだ戦法で見ていて面白いです。
そして操られる市民に殴られながらも、そんな市民を黄猿から守るベン・ベックマンの格好良さよ…!そして黄猿のダサさよ
終盤、魔王戦でのヤソップ・ウソップ親子の見聞色の覇気による視覚共有、麦わら海賊団との共闘はメチャメチャ熱かった。
これを見れただけでも劇場に(略)
【ウタ(ado)】
ヒロイン兼ラスボス(の生みの親)
「航海の途中でシャンクス達と別れた」という設定のおかげで、原作では未登場だった件を上手くカバーしていたと思います。
ルフィが最初から音楽家を重要視していた事にも説得力が増しましたし。
ただそれでもぽっと出感は否めなかった。
制作側はずっと彼女の傍にいたので愛着がわいているのかもしれませんが、自分からしたら知らない人が凄いスピードでメンヘラ拗らせて勝手に闇堕ちしてるやんくらいの認識でちょっと置いてけぼりだった。
前述したとおり、今作は彼女の存在とその感情を理解して受け入れられるかどうかで大分評価が変わってくると思います。
ただ、冒頭のVtuberみたいなところ以外の歌唱シーンや歌に関しては本当に凄かった。
戦闘での歌唱シーンを「ウタウタの実の能力に必要な行為」とする事で上手く活かしていたと思います。マクロスプラスだろっていうのはNG
そしてビジュアルは文句なし。
久しぶりにワンピースの女性キャラクターでパンツ見たい可愛いと思えました。
adoさんはさすがの歌唱力…というか想像以上の歌唱力でびっくり。
個人的にあまり聞いたことが無かったので、ここまで上手いのかと感動しました。
序盤のポップソングやラストのバラードは普通ですが、トットムジカ召喚の闇堕ちソングなんかは彼女にしか出せない雰囲気なのではないでしょうか。
【ゴードン】
絶対黒幕だろコイツと思ったらただの良いおっさんだった。
「あの日国を裏切ったのは私なんだよウタァ…〇×△◆※#*!!(独特な笑い声)」
っていうツダケンボイスが聞けると思ってたのに…。
なんかすいません…。
【エンディング】
今までのキャラクター達がたくさん登場して凄く嬉しかったです。
扉絵シリーズを深く追いかけていなかったので、ガイモンさんに彼女が出来ていて「!!??」ってなった。
革命軍やアラバスタ関連が全く描写されなかったのは、原作の今の情勢を踏まえての事なんでしょうか?
気になった点
全体的には楽しめましたが、要所要所で「ん?」ってなる点は何点かありました。
【歌に関して】
やはりこれを「ワンピースっぽくない」と言って拒絶してしまう人が出るのは、少しだけ理解できてしまいます。
特に冒頭のライブシーンなんかは、いくら導入のウタ紹介ターンとはいえ冗長かなぁと感じました。
【麦わら一味に関して】
存在感がかなり薄い…。
要所要所で活躍こそしたものの、ストーリーには殆ど絡んできません。
唯一ウソップのみ映像不良で無限に転がるバグヤソップとの共同作業で大活躍しましたが、それ以外の一味は露払いor避難誘導係と化してしまっていた印象です。
シャンクス&ウタだけならまだしも、麦わら一味以外の海賊や海軍が多いせいで余計存在感が薄まっていました。
正直バルトロメオやロー、べポ、ビッグマム海賊団とかは出す意味あったか?と思ってしまうレベル。
あとサニーくんも。
かわいかったので許せましたが、マジで存在意義が分からなかった。
まだミニブルーノの方がマスコットしてた
【戦闘描写に関して】
ヌルヌル動くわりに動きが激しすぎて何をやっているかよく分からないという場面がありました。
特に終盤の魔王戦の麦わら&赤髪海賊団の同時攻撃シーン。熱かったからいいけど
【海軍の小物感】
世界を守るためとはいえ、操られた市民たちを殲滅してOKってのはどうなんですかね…。
藤虎さんなんか絶対に拒否すると思ったのに。
市民達を守る赤髪海賊団の引き立て役とは言え、あまりにも短絡的な思考になっていてなぁ…。
特に黄猿と藤虎の貫禄が台無しです。
表面的には焦りつつも、心の底では得体のしれない貫録を保っていた黄猿がシャンクスに本気でビビり散らしている所は正直見たくなかった。
【サプライズに関して】
映画恒例のサプライズですが、若干パンチが弱かったなと思います。
ラストで一瞬現れたルフィのニカ形態が、原作派なのでそこまで驚かなかったっていうのもありますが。
ただ終盤のウィーアー!はやはりテンション上がりました。
スタンピードの時と言いウィーアー!流しとけばいいと思ってんだろ東映?
舐めんなよその通りだよ。
総評
総じてシャンクス関連の重要情報や麦わら一味の活躍を期待して見に行くと、ギャップに違和感を覚えると思います。
あとは異常なまでのウタ(ado)プッシュを受け入れられない人も、不満が残るかもしれません。
それらを置いとける人は大迫力すぎてちょっと分からないレベルの戦闘やウタの歌唱シーン、そしてadoさんの素晴らしい楽曲&歌唱力をバックに壮大な冒険感を楽しめる映画になっていると思います。
「音楽」がメインとなっている映画なので、個人的にはこういう映画こそ大音響&大画面で堪能できる映画館に足を運ぶべきだと感じた一作でした。
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