どうも、ほんまぐろです。
2023年4月14日に公開された映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」
こちらを視聴してきました。
すっかりGWの恒例イベントとなったコナン映画。
今回も楽しく視聴して来たため、感想を書いてまいります。
ネタバレ全開となっておりますので、未視聴の方はご注意ください。
全体を通じた感想
全体としては満足の行く出来でした。
クオリティの高い映像は言わずもがなで、毎回あっと思わせるシチュエーションでのアクションシーン(今回で言えば水中全般)をド迫力の映像と音で体感できるのは非常に素晴らしい点です。
何より本作はコナン君がしっかり主人公として目立っていたのが個人的に嬉しかった。
勿論、毎作コナン君が主人公なのは明白ですが、最近は安室さんや赤井さんのような人気サブキャラを主役に据えた映画が大半で、どちらかというとコナン君は事件を発生させる元凶それを一緒に解決する相棒的なポジションに収まっている印象だったので、徹頭徹尾主人公していた本作は最近の作品と比べても更にコナン君が格好良く見えました。
そして本作は遂にそんな人気サブキャラの筆頭でもある灰原哀をメインヒロインに据えた作品でもあります。
灰原と言えばコナン君の横でやれやれ顔している夫婦ポジションが大半のクールな性格ですが、コナンの懸命な行動にトキメいているのは非常に新鮮で、二人の交流を大画面で見れただけでも劇場に足を運んだ甲斐はあったかなと思っています。
ただ
前作と比べて釈然としない点や気になる点が結構ありました。
気になった点
【全体的な既視感】
今作では何箇所か山場がありましたが、そのどれもが昔のコナン映画でのワンシーンに似ていた気がしました。
例えば
- コナンの正体を知った黒の組織の人員がジンによって殺害され真実が闇に葬られる→「漆黒の追跡者」のアイリッシュ
- 灰原哀による水中人工呼吸でキスを意識→「14番目の標的」のコナンと蘭
- ベルモットが灰原を助けた理由→「世紀末の魔術師」の怪盗キッドと鳩
といった感じ。
正直既視感が強く、目新しさは無かったです。
【ジンの存在】
全編通じてコナンたちの前に立ちふさがる強キャラ感にあふれていますが…あまりにも無能すぎる。
いや分かってます。
ジンにまともに行動されるとコナン側なんてあっという間に壊滅ですから。
物語の進行上、彼にまともな活躍をさせるわけにはいかないのは分かってます。
でもそれにしたって何でもかんでも殺そうとし過ぎでしょう。
「面倒くさいからとりあえず口を封じる」というスタンスで、一体何人の有能な同僚、重要な情報を得た同僚を闇に葬ってきたんだ?
アイリッシュを殺害したときに学んでおけばもっと簡単に真実に至れたというのに…(繰り返しになりますがそれをしてしまうと物語が終わってしまうのでしょうがないっちゃしょうがないですが)
ていうか冒頭に黒の組織の蒸留酒メンバーが読み上げられていましたが
- ジン
- ウォッカ
- コルン
- ピスコ(ジンに殺される)
- アイリッシュ(ジンに殺される)
- ピンガ(ジンに殺された)
致死率50%の劇薬ですよジンの兄貴は。
しかも無能な味方の選別に使うのではなく、有能な奴だろうがお構いなしにぶち撒けるイカレスプリンクラー。
まさに「無能な敵は味方」を地で行くスタイル。
【灰原関連の描写】
今作のメインヒロインである灰原ですが、流石にやり過ぎでは?と思われるレベルでファンに媚びている描写が多々見受けられました。
特に終盤における人工呼吸のくだり。
「私達キスしちゃったんだよ…!?」とか、普段の灰原であれば絶対に言わないようなセリフで、「灰原メインの映画とはいえここまでやるのか!?」と思ってしまいました。
「あんなのはただの救助活動の一環でしょ」って言うキャラではないのか哀ちゃん!?
更に直後にメインヒロインである蘭とキスして「返しておいたわ。あなたの唇」って
何その3秒ルールでセーフみたいな考え方
一応のメインヒロインである蘭のメンツを保つための行為に加え、「灰原好きのオタクはこういうの見れれば嬉しいんでしょw」みたいな考えを制作側が持っているんじゃないかと邪推してしまいました。
【価値観の多様性に関する違和感】
今作では人種差別や多様性に関する点が非常に強調されていました。(前述した灰原と蘭のシーンもその一環なんだとは思います。)
昨今の時流なのでそれ自体は良いのですが、だとするとコナンが犯人を怪しんだ理由に「フランス人なのに数字の数え方(親指と人差指で2を示す)を知らないのはおかしい」というのが気になりました。
「フランス人なのに知らないのは変」って、それも一種の人種差別じゃないのか?
普段であれば全然気にならないのですが、テーマとして差別や価値観の多様性を強調しているのならそこはしっかりしろよ!と思ってしまいました。
【ガバガバセキュリティ】
これはもう毎回のことなのでしょうがないですが、簡単に魚雷打ち込まれる程のガバガバセキュリティは流石に世界滅ぶだろと笑ってしまいました。
主な登場人物に関する感想
【江戸川コナン】
我らが主人公。
前述の通り今作では非常に主人公感が強くて格好良かったので大満足です。
パシフィック・ブイに潜入したバーボンとベルモットに
(うわ、あいついるのかよ面倒くせ)
みたいな反応されていて笑いました。
今作のノルマボール花火はいつも以上に命懸けで危険な使い方でした。(というか普通に死んでた)
最期の最期に唐突に「いっけぇぇぇ」シュートを放っていたのですが、急な出来事だったので何を何に蹴っていたのかよくわかりませんでした。
【灰原哀】
メインヒロイン。
ファンとスタッフの寵愛を一身に受けた本作の哀ちゃんは非常に乙女チックな思考回路でした。
貴重な幼少時代の映像も拝めたので個人的には良かったと思います。前述の通りやり過ぎだとは思いますが。
【毛利蘭】
元メインヒロイン。
今作ではヒロインを灰原に献上していたので存在感はほぼなし。
序盤のキン肉マンばりの登場シーンがピークで、最期には彼女の打撃痕が証拠になるというまさかの証拠作成マシーンと化してしまっていました。
致し方なし。
【毛利小五郎】
登場時の大半は泥酔状態、終盤の推理披露シーンもやっぱり眠らされていて、作中の大半を制作側とコナンから意識を奪われていた悲しき存在。
どうでもいいですが「眠りの小五郎」って「眠っているようなポーズで話す」からそう呼ばれていたんだと思っていたのですが、蘭ちゃんから「起きて!!」って普通に怒られていました。
作中でも「眠りの小五郎」はもう夢遊病の一種的な扱いを受けているんでしょうか…?
【ピンガ】
本作にて新登場を果たした黒の組織のメンバー。
- 劇場版限定キャラ
- 工藤新一の正体に気づく
というアイリッシュと全く同じ死亡フラグを築き上げてしまった悲しき人物です。
こうなるともう本編に逆輸入するわけにもいかずジンの無能有能っぷりに掛けてご退場頂くしかないのですが、最期に潜水艦の外で「ついたぞ」「おい」って既読無視されているのが微妙に可愛くて笑ってしまいました。修学旅行で窓に鍵かけられた中学生みたい
やたらとコーンロウの髪型を強調されていたのが気になったのですが、どう考えてもグレースに変装していた時のカツラではもっこりしてしまうだろうにどうしていたのでしょうか。
【ジン&ウォッカ】
この二人の奇跡的なドジっ子属性がなければこの世界はもう黒の組織が支配する世界になっていることでしょう。
珍しく前線で頑張っていたのは老若認証システムを使って遊園地で遊んでいた黒歴史を消し去りたかったんだろうな
【安室&赤井】
最近出張りまくっていた二人ですが、今作ではコナン君を真の主役にするべく影で奔走する役回りに徹していました。
終盤でコナンが電話同士を重ねて会話させていたのはちょっと面白かったですが、お互いをコードネーム呼びしつつも信頼関係を見せていてファンからしたら堪らないシーンだったのではないでしょうか。
このコナンの電話のやりかた、同じスタイルで振り込め詐欺同士を電話させておちょくるYouTube動画を思い出しました。
赤井さんは物理的にどうにもならない相手を葬る為の最終武装ポジションに磨きがかかってきましたね。
なんすかそのバスターライフル
総評
全体で見れば面白い作品だったと思います。
前述した通り敵側の杜撰さや灰原関連のやり過ぎ感等気になった点はちょいちょいありましたが、格好いいアクションやコナンがしっかり主人公として格好良く活躍していたのを久しぶりに見れたのが非常に嬉しかったです。
次回作は服部&怪盗キッドがメインとなるようですが、服部がピックアップされるのは「から紅の恋歌」以来でしょうか。
今から楽しみです。
恒例の次回作予告がネクストコナンズヒントのノリになってきたのは気の所為でしょうか…?
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