どうも、ほんまぐろです。
2024年1月26日、「劇場版ガンダムSEED FREEDOM」が公開されました。
初代「機動戦士ガンダムSEED」の放映から22年もの年月を経て公開されたSEEDシリーズ最新作。
自身も学生の頃本作に触れ、ガッツリハマっていました。
今回はこの劇場版映画を鑑賞して参りましたので、その感想を書いていこうと思います。
ネタバレ全開となりますので、未視聴の方はご注意ください。
全体を通しての感想
まず全体を通しての感想としては、ファンが見たいと思っていたものを全て詰め込んでくれた傑作だったという事です。
一つずつ書いて参ります。
【主人公達のその後】
まずファンが一番気になっていた部分。
キラやアスランのその後、「SEED DESTINY」ラストで和解したキラとシンのその後等、ファンが見たいと思っていたキャラクター達のその後がしっかりと描かれていました。
特にシンのキラに対する態度は必見で、あれだけ殺意をむき出しにしていたDESTINY本編中とは打って変わり犬っころの様に「隊長!隊長!」「隊長の役に立ちたい!」と懐いていて思わず笑顔になります。
きっとDESTINY終了後からシンは自分の居場所を作ってくれたキラに対して特別強い想いがあったんでしょう。
それはもう、その他の物を犠牲にし過ぎてルナマリアの誘いに素直に応じれない程のヘタレと化すレベルで
シンとルナマリアの関係は置いておき、アスランとカガリの信頼関係や今回の映画のテーマともなっているキラとラクスの関係等、人間関係においてもしっかりとその後の描写を入れてくれたのでファンとしては非常に嬉しかったです。
【サブキャラ達のその後】
今回のもう一つの特徴が主人公達以外にもしっかりとスポットライトが当たっていた事。
特にラクス・クラインに関してはその出征の秘密も含めてしっかりと肉付けが補強され、まさに4人目の主人公に相応しいキャラクターとなっていました。
今作から新登場となった新造戦艦ミレニアムのクルー・アルバート(CV.福山 潤)や艦長・アレクセイ(CV.大塚芳忠)も、初登場ながらしっかりと爪痕を残していってくれました。
願わくばキラとアルバートのダブル早口言葉リレーが見たかった…
その他にもマリューやムウ、ミリアリアやサイ達アークエンジェルクルー組、メイリンやイザーク、ディアッカ等のザフト組のその後もしっかりと描かれ、個人的には非常に満足でした。
カズイはほんの一瞬だけ出てた気がしなくもないレベルだったのですが気のせいでしょうか?
【戦闘シーン】
「SEED」、「SEED DESTINY」共にコピペを多用した戦闘シーンと言う名のバンクが多かった印象ですが、本作は使いまわしもほぼ無く、大画面&大音響も合わさって大迫力のMS戦を楽しむことが出来ました。
【声優の凄さ】
個人的にこれが一番ビビりました。
流石今も第一線で活躍する声優さん達、声が全然衰えていない…!!
特にラクス役の田中理恵さん、アスラン役の石田彰さんなんかは当時と全く同じで心底ビビりました。
主要キャラクターに関する感想
【キラ・ヤマト】
我らが主人公。
今作でも徹頭徹尾鬼神の如き強さで大迫力のMS戦を拝ませてくれました。
ただ、「SEED DESTINY」でデュランダル議長の提示したデスティニープランを否定した結果、今も混迷の戦争が終結しない現状に非常に精神的ダメージを受けていた様子。
そりゃまぁそうでしょう。
自身が先頭に立って否定した=今の世界は自分が招いた結果であると考えてしまってもしょうがない。
今作ではそんな葛藤と焦燥、アコードからのコーディネイター特効とも言える弱点、そしてラクスとのすれ違いに端を発する脳破壊苦悩の隙を突かれ、中盤では重大な軍規違反や敗北、そしてラクスや対する激しい心情の吐露と言った本編ではお目にかかれなかった人間らしい一面の数々を見る事が出来ました。
いや、軍規違反は本編でもやってたか…
そんな折れた心をアスランの修正パンチで修正された後は一転、迷いなき想いと蘇った力で八面六臂の大活躍を見せてくれました。
あと相変わらず私服が壊滅的にダサい。
その腕のベルトは中学生で卒業しなきゃだめなやつだよキラ君…
【アスラン・ザラ】
何故か登場するだけで観客からクスクス笑いが起こるイケメン。
過去作でも登場するたびに何かとネタを振りまき、本人の意志とは裏腹に愛すべきネタキャラとしてのポジションを確立してしまったしたアスラン。
本作でも
- 初登場時、初手陰からコート+グラサンでそっと見する激不審者っぷり
- まさかのズゴッグで登場(その時の顔が上記の不機嫌顔で猶更笑える)
- キラとの喧嘩を止めに入ったシンにちゃっかり暴行
- 敵隊長相手にズゴッグでGガンポーズ
- ズゴッグ偽装ジャスティス
- 全裸カガリ妄想
ネタのデパートだズラ。
満を持して登場したイモータルジャスティスガンダムをシンに取られ、まさかのフルアーマーズゴッグで助けに来るなんて誰が想像できたでしょうか。
今作の彼の評価の半分はズゴッグが持っていると言っても過言ではない。
それでも心の折れたキラを叱咤激励するシーンや敵隊長・シュラとの一騎打ち、カガリとの連携やまさかのフリーダム搭乗等、第二の主人公に相応しい活躍を見せてくれました。
あとやっぱり私服が壊滅的にダサい。
その腕の包帯は中学生で卒業しなきゃだめなやつだよアスラン君…
【シン・アスカ】
まさかこんなにもキラと仲良くやっているシンをスパロボ時空以外で拝めるなんて…(感涙)
公式ありがてぇ…。
前作の大人の事情に振り回されて押しつぶされる可哀そうな少年の面影は無く、真の意味でようやく第三の主人公として活躍できたんじゃないでしょうか。
というか
- 隊長の役に立ちたいのに頼りにされてないとぶーたれる
- ルナマリアから往復ビンタを喰らって「死ぬ~死ぬ~…」
- キラを叱咤するアスランに怒りを露わにさせる
- そのまま殴り飛ばされて怒る
- キラからミレニアムを託されて目を輝かせる
- 「分身ってのはこうやるんだよぉぉぉぉぉ!!!(絶叫)」
本作の萌え&燃え要素を一挙に引き受けていたといっても過言ではありません。
非常にイキイキと動いていました。
きっと前作が悲しみや復讐にとらわれ過ぎて歪んでしまっていただけで、これが本来のシンの性格なんでしょう。
【ラクス・クライン】
今作では彼女の出生の秘密が大きなカギを握っていました。
その正体はコーディネイターを上回る新人種にしてデスティニープランが発動した世界の人類を管理する上位者「アコード」
遺伝子を調整されたコーディネイター達が彼女を崇拝していたのもこのアコードとしての力だったのか、本人が最初から持ち合わせるカリスマ性によるものなのか微妙なところです。
そんな運命に翻弄されながらも最後は自分の意志でキラと共に在る事を選ぶその動きは紛う事無きヒロインそのものであり、前作では「設定としてのヒロイン」に過ぎなかった彼女が今作では名実ともに完全体ヒロインとして活躍していました。
前作ではどことなく浮世離れした、生活感の感じられない象徴としての佇まいが印象的だったラクスですが、本作では夕食を作りキラの帰りを待って寝てしまったり、キラと共にドライブやピクニックを楽しんだりと、新妻感人間らしさに溢れていたのも印象的でした。
彼女もシン同様、戦争という特殊な環境が無ければ普通の人間らしさを垣間見せる女性なんでしょう。
そして「今作では最も前に出る」というインタビュー通り最前線での活躍も見せてくれましたが…パイロットスーツが非常にお下品ダサい。
この世界のデザイナーに限ってはデスティニープランを導入させてもいいんじゃないでしょうか。
もっともこの絶妙なダサさがSEEDって感じで、個人的には大好きです。
ラストなんか全裸で砂浜に降り立つという、もうSEED感満載のラストで思わず種割れた。
あともう一つ気になったのがキャラデザ。
異常なまでの唇の腫れ具合で、どのシーンもそこに目が行ってしまった。蜂にさされたの?
【アークエンジェル組の面々】
マリューさんの相変わらずの格好良さよ。
やはり三石さんの艦長命令ボイスは最高です。
ムウは本編では成し遂げられなかった「不可能を可能にする」をしっかりと果たしてくれて嬉しかった。
でもレクイエムを耐えるのはやりすぎだと思うの…
【イザーク・ディアッカ】
久しぶりに彼らが扱うデュエルガンダム・バスターガンダムを拝めたのが本当に嬉しい。
嘗ての自分の様に思想に囚われたザフトを「時代錯誤」「だからこそ止めなければならないんだ。こんなことは」とバッサリ切り捨てられたイザークの成長っぷりに感動です。
【アグネス・ ギーベンラート】
本作で初登場となるキャラクター。
キラの部下として登場しましたが…
劇中の動向も敵に寝返る理由も早さも全てが中途半端。
寝返った後も特に本筋に絡まずルナマリアとキャットファイトして終了。
ラストもCV桑島法子さんなのに死亡せずルナマリアと和解して終了。
コイツ要るか??っていうのが正直な感想です。
ガンダムSEEDが「平成のファーストガンダム」として作られたので、劇場版も「逆襲のシャア」みたくクェスっぽいキャラ入れとけくらいのノリで作られたキャラにしか見えませんでした。
【ファウンデーション王国の面々】
本作の敵となるアコード一派。
アコード同士での交信能力やコーディネイター達への精神干渉等、スーパーコーディネイターであるキラですら失敗作と切り捨てる等に優れていた部分はあります。
しかしよくよく考えるとS.E.E.Dを発動させたシンの精神を読めなくなる脆弱性=進化した人種であるS.E.E.D保持者に劣る存在である事を考えると、本当に上位種なのか疑問に思うところがあります。
なによりアコードを率いる宰相・オルフェはデスティニープランによって運営されている国の実質的なトップでありながら自身の伴侶に据えようとしていたラクスから拒絶され、そして自身を想っていたイングリッドの心すら読めない始末でした。
人の定めを決めるデスティニープランが聞いて呆れるぜっ!
そして戦闘におけるラスボスである隊長・シュラも正直キャラが弱くてパッとしなかった。
アグネスが魅了されて寝返る程の男には見えなかったのが正直な感想です。
出番が少ないよ出番が!
あとシャアが偉大過ぎるよシャアが!
モビルスーツに関する感想
【ライジングフリーダム&イモータルジャスティス】
本作のメインを張った新機体ですが、正直不遇でしたね~。
もちろん戦闘シーンは非常に格好良かったですが、大きな特徴として発表されたモビルアーマー形態も大して陽の目を見ずに撃墜されてしまいました…。
特にイモータルジャスティスは不遇オブ不遇。
まさかのシン乗機としてパッとしない活躍が続いたまま撃墜されて終了と言うね…。
おまけにシンから「この前はジャスティスだったから負けただけだ!」と言われる始末。
アスラン君怒るで…。
最もこの二機体は映画公開前の大分早い時期から公開されていた為、「後継機や前作機体への乗り換えというファン要素があるだろう」とは言われていましたが。
【Sフリーダム&Iジャスティス&デスティニー】
ですよねーーーーーー!!!!
これだけ当時のファン向けに作られた作品でこいつらを登場させない訳が無い。
三機体ともSpecIIとして生まれ変わり、それぞれ素晴らしい活躍を見せてくれました。
Iジャスティスはまさかのズゴッグに偽装されるというネタっぷりを披露。飼い主に似たな。
スケール的にどうやって偽装してたんだ?絶対中腰だろジャスティス君…。
デスティニーは前作「SEED DESTINY」において看板主役機…となるはずがSフリーダムとキラが実質主人公となり、最後はIジャスティスに手足を吹き飛ばされた挙句議長を妄信してやけっぱちになったシンと共にリタイアという途轍もない不遇を味わっていました。
個人的に造形が非常に好きなので是非映画にサプライズ登場して活躍して欲しい…と公開前は願っていましたが…。
持ち前の圧倒的なスピードを活かしてブラックナイツ達を相手に奮戦。
そしてラストはシンの「分身ってのはこうやるんだよぉぉ!!」の絶叫と共に数百体へ分身。
アロンダイトを突き立てつつ爆発を背後に分身を収束させキメポーズ。
良い意味でね!!
思わず「やりすぎでしょ…(歓喜)」と小声で漏らしてしまうレベルの大活躍っぷりにただただ満足しかありません。
そしてSフリーダムガンダム。
こちらは更なるサプライズとして初登場となる支援機「プラウドディフェンダー」と合体した「マイティーストライクフリーダムガンダム」として新生。
ポージング、そして流れる「Meteor -ミーティア-」
今なおアニメ史に伝説を残すガンダムSEED 35話「舞い降りる剣」をオマージュした構成に見事やられました。
そして肝心の戦闘ですが…
全ての攻撃をドシャットするバリア、大規模な放電により眼前に群がる機体群をまとめて殲滅機能停止
そして額から放たれるビームは小惑星を貫通・両断。
い、良い意味でね…!?
思わず「やりすぎでしょ…(ドン引き)」と小声で漏らしてしまうレベル。
最早トップをねらえ!に出てくるレベルの火力と化したストライクフリーダム。
これからのキラ君は力だけでもなんとかなるようになりました。
総評
以上が本作を見た感想になります。
SEEDの世界観と魅力を極限まで凝縮し、そしてファンの期待する内容をこれでもかと詰め込まれていました。
SEEDファンの為の映画としては傑作だと思います。
長らく続いてきたSEEDを締めくくるに相応しい内容で、これからも定期的に鑑賞したいなと思いました。
そして願わくば、更なる新作が作られんこと…!
そしてスパロボ新作に参戦してくれ…!!!
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