どうも、ほんまぐろです。
7月22日発売となったswitch用ソフト「ライブアライブ HD-2Dリメイク」
こちらの中世編をクリアしましたので、感想を書いて参ります。
ネタバレとなりますので、未クリアの方はご注意ください。
その他の編は随時更新して参ります。
イントロデュース
魔王と勇者の戦いを描いた伝説が残る地・ルクレチア
ある日ルクレチア王国で開催された武術大会に二人の若者が参加した、
一人は剣に長けた青年・オルステッド、一人は魔法に長けた青年・ストレイボウ。
お互い決勝戦にまで残った二人は、親友同士だからこそ全力で激突する。
戦いを制したのはオルステッド。
その武勇を称えられたオルステッドは、アリシア姫への求婚権利を与えられ、王女もこの申し出を快諾する。
こうしてルクレチア王女と結婚する事になったオルステッド。
幸せな日が続くに見えたが、突然復活した魔王が城を襲い、王女を連れ去ってしまう。
オルステッドは姫を無事取り戻せるのだろうか—
ストーリー
姫を無事取り戻すよう、王より使命を賜ったオルステッド。
新たな勇者の旅立ちを祝うべく集まった兵士や国民の歓声を背に一人王国を旅立つ。
しかし、王国の出口でオルステッドを待つ人物がいた。
親友・ストレイボウである。
「2人で魔王を倒そう。」そう誓った2人は勇者の山へ向かう。
そこはかつての勇者…魔王を倒した男・ハッシュが住んでいる山。
ハッシュが住む小屋を見つけたオルステッド達は同行を依頼する。
そんな2人を無視するように拒絶するハッシュ。
かつての勇者はなぜかすっかり人間嫌いとなり、山奥に籠っていたのである。
戸惑いながらも、ストレイボウは飾られた盾がふもとの村にいた老人の家に飾ってあったものと同じであることに気が付く。
その老人こそ、かつてハッシュと共に魔王を打倒した伝説の僧侶・ウラヌスなのであった。
ウラヌスの下を訪れた2人は彼からハッシュの事を聞く。
かつて魔王を倒したハッシュは人々から英雄だともてはやされた。
その声は徐々に人々から考える力を奪い、「困ったらハッシュへ頼る」という堕落へとつながっていった。
人々から都合よく頼られることに嫌気がさしたハッシュは心を閉ざし、山奥へと引き籠るようになったのだという。
「人は愚かだが、それだけの存在ではない。心から信じられる者が必ずいる」
そう考えたウラヌスはハッシュの下へ戻り、再度説得を試みる。
必死の説得によりハッシュは「自分が弱者でない事を証明するためだ」と、3人の旅に加わる。
山頂へ赴いたハッシュは遥か彼方に見える魔王の山を見つつ、かつての栄光と共に封印した聖剣・ブライオンを再び手に取る。
瞬間、雲が立ち込める空が一瞬にして青空となり、4人の妥当魔王の志は一層燃えるのであった。
魔王の山を抜けて魔王城を進む4人。
謎の石像が7体安置してある部屋を抜けると、そこに魔王がいた。
意を決して挑む4人。
死闘の果てに魔王を倒した4人だったが、ハッシュは信じられないように言い放った。
「こいつは…魔王ではない!」
魔王どころか名前すらない、ただの魔物だったのである。
途端、血を吐き倒れるハッシュ。
彼は一介の魔物にすら苦戦するほど、病に身を蝕まれていたのだ。
死に際にハッシュはオルステッドへ聖剣ブライオンを託す。
「お前が信じる者を信じろ…!」という言葉と共に。
罠が作動し、崩れ始める魔王城。
脱出途中、罠にトレイボウが巻き込まれてしまう。
どうすることもできないオルステッドとウラヌスは無力感に苛まれながら王国へと帰還する。
報告を聞き落胆する王。
夜、傷ついた体を癒すべく休んでいたオルステッドだが、ストレイボウの気配を感じて目が覚める。
場内を移動していると、玉座に何者かが座しているのを発見する。
なんとそれは魔王であった。
再び剣を取り魔王へ挑むオルステッド。
一瞬でやられてしまった魔王は、その姿を国王へと変える。
魔王は何者かによって姿を変えられた国王だったのだ。
その場を目撃した大臣は、オルステッドこそハッシュやストレイボウを亡き者にし、国王さえも殺した魔王だと叫ぶ。
その声は国中へと響き、民も兵士も、誰もがオルステッドを魔王だと糾弾し石を投げた。
地下牢に閉じ込められたオルステッドは、自分の名を呼ぶ小さな声を聴く。
それは隣の牢に入れられたウラヌスだった。
彼はオルステッドとの関係を疑われ、拷問に掛けられていた。
残された最後の力を使い、オルステッドの牢を破壊するウラヌス。
彼は最後にこう伝えた。
「ここで人間を憎んでは負けだ。お前に残されたもの、お前が信じる者を信じろ。その為に行動しろ」と。
そう言われてオルステッドが思い浮かべたのはアリシア姫の顔だった。
きっと今も魔王に囚われている、自分を信じて待っている姫。
自身が信じる最後の存在を守る為、オルステッドは単身魔王の山へ向かう。
襲い掛かる魔物たちを蹴散らし山頂へとたどり着くオルステッド。
そこに居たのは他でもない、ストレイボウだった。
彼は死んでいなかった。
それどころか残酷な真実が彼の口から伝えられた。
—お前に国王殺しの罪を着せたのは俺だ—
ストレイボウは才能も未来もある有望な若者だった。
しかし、そんな彼が唯一敵わないのがオルステッドだった。
どれだけ血の滲むような努力を重ねても、彼は悠々とその一歩先を行ってしまう。
武術大会の時もそうだ。
自身が憧れていたアリシア姫を易々と奪われた屈辱、絶望
そんなオルステッドへの嫉妬と羨望、そして自身への絶望によりストレイボウの心は壊れてしまっていたのだ。
—今度こそ、変えてやる—
—てめぇの引き立て役だった過去に決別してやる—
—あの世で俺に詫び続けろ!オルステッドーーーーーッ!!!!—
だが
それでも勝ったのはオルステッドだっだ。
—なんで、勝てない…—
最後まで壁を超えることが出来ないまま、ストレイボウはこと切れた。
その直後、岩陰からアリシア姫が姿を現す。
それを見て安堵したオルステッドは姫へ近づく。
「来ないで!!」
姫の一言がオルステッドの動きを止めた。
「私が待っていたのはあなたじゃない!ストレイボウよ!彼は来てくれた…!あなたは来てくれなかった!」
「なぜ分からないの!?ストレイボウはずっと苦しんできたのに…!」
「あなたには…あなたには所詮、負ける人間の気持ちなんてわからないんだわ!!」
「待っていてストレイボウ…あなたは孤独なんかじゃないわ、私がずっと一緒にいてあげるね。」
そう言ってアリシアは、手に持っていた短刀を自身に突き刺した。
ストレイボウへ寄り添うように崩れるアリシア。
ただ立ち尽くすオルステッド。
そんな彼の心に一つの感情が芽生える。
「絶望」
勇者と称賛された人々から石を投げられる絶望。
信じる親友に裏切られた絶望。
愛する者に拒絶された絶望。
そんな絶望は、彼の心を真っ黒に染め上げた。
「もう俺には何も残されていない。信じる者も、愛する者も—」
「魔王なんていなかった–」
「ここに居たのは醜い人間–」
「ここだけではない、世界中どこを見ても自分の事しか考えない醜い人間ばかりだ–」
「魔王なんてどこにもいない–」
「なら、俺が魔王となろう–」
「俺が魔王となり、自分勝手で醜い人間たちにその愚かさを教えてやる–」
「俺は勇者オルステッドではない–」
「我が名は魔王–」
–魔王・オディオだ–
感想
ライブアライブを一躍話題作へと押し上げた中世編。
ド王道なRPGの世界観、キャラクター、シナリオ。
我々日本人ゲーマーが慣れ親しんだ「勇者になる人間」がどういう存在なのか。
勇者=魔王を倒す存在=負けることが許されない存在(世界観的にもシステム的にも)
つまり「最強」でないといけない。
我々プレイヤーからしたら心強くて有難い限りですけど、仮にゲーム世界の住人に感情があるとしたら絶対思っちゃいますよね。「もうあいつ一人でいいじゃん全部」って。
勇者の親友ポジなんか特にそう。
自己肯定感を完膚なきまでに打ちのめされ、劣等感や悲壮感をこれでもかとぶつけられる…。
ストレイボウがああなってしまう気持ちはよく分かる。
でもアリシア姫は簡単に心移りし過ぎでは?と思ってしまいました。
ピーチ姫を見習え。マリオとクッパの間でフラフラしてるって?はいビンタ
こんなドロドロの闇堕ちを、ド王道RPGで表現した当時のスタッフは本当に凄い。
勿論最強勇者も、やっぱり一人の人間なので絶望します。
その絶望のさせ方が本当に生々しくて、感情移入しやすい人は片っ端から魔王に転生してしまうレベルです。
余談ですがこの中世編、FF4のオマージュという事でも有名です。
世界観やオルステッド・ストレイボウ・アリシアの関係(セシル・カイン・ローザ)等、凄くしっくりきます。
ストレイボウ役の程嶋しづマさんは、FF4主人公セシル役の声優さんです。
暗黒騎士からパラディンへ転生したセシル
勇者の一行から裏切者へと堕ちたストレイボウ
対比がエグイ…。
システム自体は非常にオーソドックスなRPGで、HD-2Dもオクトパストラベラーそのものって感じで非常に楽しかったです。
雑魚敵が集団で向かってくることが多いので、オルステッドのインケイジを筆頭に範囲攻撃が輝きます。
オルステッドがレベル11で覚えるジャンプショットは希少な遠距離攻撃で、魔王城の中ボス達を筆頭に絶大な効果を発揮します。とりあえずこれで遠くからチクチクやってれば倒せるレベル。
完璧なバッドエンドとなった中世編。
いよいよそれらを超えた最後のシナリオが始まります。
時代を超えて集う主人公達と、それを迎え撃つ魔王オディオ。
どちらの陣営を選んで、どちらの結末を見るかは
プレイヤー次第です。両方見るけど。
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